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生涯の住宅コストは天と地の差って本当?

このページでは、住宅ローンに関する各種ニュースや情報をご紹介します。今回取り上げるニュースはこちら。
2015年10月13日

Yahooニュース

生涯コストは天と地「マンション vs 一戸建て vs 賃貸」誰が2700万円損するか?




※抜粋

<解説・異論・反論>

これまで何度もご案内しているように、マイホームについて当サイトの理解としては「賃貸も購入(所有)もトータルコストは変わらない」というものです。

>>>賃貸と持ち家(購入)。どっちがお得?

一部の専門家の方からは「30年や40年のコスト試算などそもそも不確定要素が多すぎて正確な計算は難しい」という指摘もありますし、実際そうだとも思いますが、仮にそういう考え方に立ったとしても結論は変わりません。

つまり、「賃貸も購入(所有)もどちらがトクとは言えないので、経済合理性ではなく、自分や家族が一生住みたいと思える家を選ぶことが重要」ということになります。

そうは言いつつマイホームの購入・所有に際し、「明らかに負け」となるケースがありますが、その最たるものが「こんなはずじゃなかった」と住み替え・買い替えを繰り返す場合ですね。そのたびに、不動産屋や銀行に払う手数料、税金が必要になってきますし、住宅は住んだ分だけ価値が下がる一方で、新しい家の値段には売主の利潤が乗っかり、多額の売買損が出ることが多いのではないかと思います。

そうした点でも繰り返しになりますが「自分や家族が一生住みたいと思える家を選ぶことが重要」 というわけですね。

さてそんなわけで、「賃貸も購入(所有)もトータルコストは変わらない」と考えている記者は、「いや賃貸がお得」「いや持ち家の方がお得」という主張を見つけるとついつい反応してしまうわけですが、今回引用させていただいたコラムもやはりそうしたシロクロはっきりさせようとするものですね。

上記の通り、当該コラムの結論としては「50年間分の住居コスト」についてこのように試算しています。

・マンション頭金なし : 1億464万円
・マンション頭金あり : 9,922万円
・一戸建て頭金なし : 8,964万円
・一戸建て頭金あり : 8,422万円
・賃貸(月17.8万円) : 1億1,125万円
・賃貸(月14.0万円) : 8,813万円

おや?・・・タイトルからしてシロクロつける内容かと思いましたが、賃貸で高いケースと安いケースを掲載することでバランスを取っていますね。その点ではそこまでどちらに誘導する内容というわけではなさそうです。

計算の前提条件としては、物件+諸費用=5,250万円で、頭金は1,000万円、賃料については頭金あり・なしの場合のそれぞれの毎月の住宅ローン返済額と同額の賃料を払い続けた場合、ということですね。

その点では「頭金あり・なし」を揃えた同一条件で比べた方がいいかもしれません。仮に「頭金あり」でそろえるとこのようになります。

・マンション頭金あり : 9,922万円
・一戸建て頭金あり : 8,422万円
・賃貸(月14.0万円) : 8,813万円 ※毎月の住宅ローン返済額と同額の賃料

このように比べてみると3つのケースでほとんど大きな差はないということですね。冒頭ご案内したように現実的には「30年や40年のコスト試算などそもそも不確定要素が多すぎて正確な計算は難しい」という点を考慮すれば、「マンションも戸建ても賃貸も50年間の住居コストはほぼ変わらない」と言ってしまってもいいと思います。

だとすれば記者にとってみれば非常に耳ざわりのよい結論となるわけですが、とするとそもそもタイトルの「生涯コストは天と地」という話はどこから来るのでしょうね!?うまく釣られてしまった感があります・・・。

そうしたわけでその結論自体は極めて穏当なものですが、ただいつもながら残念なのはその計算の論拠ですね。再掲するとコストの内訳はこのようになっています。



ここにはざっくり言って大きな誤解が2つあります。

1つ目は「住宅ローンの返済はコストではない」ということですね。正確に言えば住宅ローンの利息はコストですが、元本返済部分はコストではないということです。

コストというのは当然ながら損をすることです。出て行ったお金が戻ってこないことを意味します。では住宅ローンの元本返済が損をしていないのだとすれば何か対価を得ていないといけません。では何を得ているかと言うと・・・住宅の所有権を購入していると言えるのですね。

住宅ローンを組んだ時点では物件は銀行の担保となっていますので100%自分のもの、というわけではありません。しかしながら返済を進めるにつれ借金が減り、最終的には100%自分のものとなります。つまり長い長い住宅ローンの返済期間は所有権をちょっとずつ購入する歴史でもあるわけですね。

とすると住宅ローンの元本返済は最終的には住宅そのものに入れ替わるわけですから、その部分では損失は発生しません。上記試算で言えば青色の部分がゼロということになります。たとえば「一戸建て頭金あり」の場合、そのトータルコストが8,422万円から3,172万円に激減するのですね!※頭金も同じ理由からコストではありません。

「なんだ持ち家の方がはるかにコストが安いのか」と早合点してしまいそうになりますが、残念ながらそうもなりません。そもそも冒頭ご案内したように「賃貸も購入(所有)もトータルコストは変わらない」のです。

では購入・所有の場合、「住宅ローンの元本返済」の代わりにどういったコストが入ってくるかと言えば、建物の目減りですね。確かに住宅ローンの元本が住宅に入れ替わっていく時点では損失は発生しませんが、しかしその肝心の住宅は、経年劣化が進むにつれどんどん価値が減っていくのですね!これを経理用語では「減価償却」と言うわけですが、50年後には建物の価値はゼロになっていると思いますので残るのは土地代だけですね。

仮に戸建てでは住宅価格である5,000万円の半分が土地代、マンションの場合は3割程度が土地代とすれば50年間の減価償却はそれぞれ2,500万円と3,500万円となり、より正確なコストとしてはこのようになります。

・マンション頭金あり : 9,922万円 → 8,422万円
・一戸建て頭金あり : 8,422万円 → 5,672万円

次に2つ目の大きな誤解ですが、「賃料は下がっていく」ということですね。概ね賃料は物件価格の5〜6%でしょうか?とすると5,000万円の住宅であれば年間250万円〜300万円、つまり月20.8万円〜25万円ということで上記試算よりかなり高くなってしまいますが、しかし申し上げたように建物の価値は経年とともにどんどん下がっていきます。

仮に当初年間300万円の賃料だとしても、築30年程度で実質的に建物の価値はゼロになるとすれば、マンションの場合で想定すると30年後には賃料はその3割にまで縮小しているということですね。つまり90万円にまで低下する可能性があるということです。

また築50年のマンションにはほとんど誰も住まない・住めないのだとすればそこで家賃がゼロになると考えることもできます。当初年間300万円の賃料が50年かけてゼロになるのだとすれば、トータルの家賃は7,500万円。仮に2年に1回の更新料=4.2%を加味しても7,815万円となります。

これら、つまり「減価償却」と「家賃の値下げ」を考慮すれば50年間のトータルコストはこのようになるということですね。

・マンション頭金あり : 9,922万円 → 8,422万円
・一戸建て頭金あり : 8,422万円 → 5,672万円
・賃貸(当初月25万円) : 7,815万円

こうして並べるとマンションが不利に見えますが、マンションの足を引っ張る維持管理費2,800万円のうち、1,200万円くらいが修繕積立金とすれば、それと同じくらいの修繕費が一戸建てにかかるという考え方もあります。少なくとも50年間の一戸建てのメンテナンスコストが500万円というのは明らかに小さいですね。そうしたわけで一戸建てにも1,200万円の「修繕積立金」を加味すれば3者のコストはこのようになってきます。

・マンション頭金あり : 8,422万円
・一戸建て頭金あり : 6,872万円
・賃貸(当初月25万円) : 7,815万円

だいぶ近づいてきましたね!

さらに一戸建ての方が建物の価値の目減りが激しい点や(おそらく築10年・20年で売却するのであればマンションの方が得なケースは多いと思います)、期間50年はさすがに長く、老人ホームの利用などを考慮すれば、実質的には40年くらいが妥当とすれば、賃貸はその分だけコストが大きく減ることになります。

そのように考えていくと、依然「戸建て優位」の面は残るものの、決定的な差ではないということですね。

また今後少子高齢化やセキュリティの関心が高まっていく中で、利便性の高いマンションの人気が高まる一方、一戸建ての人気が下がっていくのだとすれば、そもそも「50年後に一戸建ては売却できない」というリスクがあります。

上記の通り一戸建てには土地の価値として2,500万円を残しているわけですが、売れなければ価値はゼロです。そうすると極端な話、そのトータルコストはこのようになるわけですね。

・一戸建て頭金あり : 6,872万円 → 9,372万円

こうなってくると戸建ての惨敗です。これが絵空事ではないのは、全国で空家問題が深刻化していることからも分かります。

加えて、戸建てをディスる意図はないものの、土地の値段にしても二極化が進行中です。つまり都心部が上昇する一方、郊外・地方では下落が続いているわけですね。戸建ての立地がどちらかと言うと後者なのであれば、建物価値の下落だけでなく、土地の価値の下落も考慮しないといけないかもしれません。

つまり現実的には戸建てには戸建てのリスクがあるということですね。

そうしたわけで結論としては繰り返しになりますが、「賃貸も購入(所有)もトータルコストは変わらない」ということであり、「賃貸も購入(所有)もどちらがトクとは言えないので、経済合理性ではなく、自分や家族が一生住みたいと思える家を選ぶことが重要」ということですね。

参考になさってください。

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