※当サイトには広告リンクが含まれています。
<編集部からのコメント>
当サイトの読者の方々の中にも借り換え目的の方は少なくないと思います。
新規借り入れの場合は、建設会社・不動産会社の提携住宅ローンを利用する場合も多いことを考えるとむしろ借り換え目的の方の方が多いかもしれませんね。
先日のコラムでもご案内しましたが、3月中旬までは消費税増税前の住宅の駆け込み需要の影響か、住宅ローン市場も相応に盛り上がっているように感じておりましたが、逆に3月下旬からは急に落ち着いた気がしております。
4月に入りそうした住宅ローン市場も徐々に回復傾向にあるようにも感じますが、それでも今なら恐らくゆったり金融機関等に相談できるわけで、借り換えが目的の方には良いタイミングなのではないでしょうか。折りしも市場金利も住宅ローン金利も低位安定しておりますからね。前向きにご検討いただければと思います。
さて、昨年もご紹介しましたが、住宅金融支援機構が最新の民間住宅ローン借換実態調査を発表していますので取り上げたいと思います。まず気になるのが、最初に借りてからの経過期間ですね。一体、みなさん、何年くらい経過してから借り換えを実施しているのでしょうか?
借り換えまでの経過期間につき、合計欄で集計されていますが、全体の42%の人が「5年超10年以内」という期間で借り換えを実施していることがわかります。逆に「5年以下」はガクっと減りますね。「15年超」はそれなりにおられますが。
本来であればもう少し均等に分布したり、あるいは短いほど割合が多いとか、逆に長いほど割合が多いといった一定の規則性がありそうなものですが、なぜこの期間が一番多いのでしょうか?
それは・・・もちろん10年というのが切りがいいというのはありますが、それに加えて、変動金利に次ぎ人気の「10年固定金利タイプ」を利用している人が当初固定期間終了のタイミングで借り換えを検討するから、ということでしょうね。
実際、借り換え前の金利タイプを見てみるとこのような割合になっています。
・全期間固定タイプ : 35%
・変動金利タイプ : 23%
・10年固定タイプ : 22%
・その他の金利タイプ : 20%
この10年固定金利タイプの方=22%の方が「5年超10年以内」でアクションを起こすためにこの期間が膨らんだというのが一因なのでしょうね。
10年固定金利は、文字通り最初の10年間は特にオイシク設計されておりますので、それが終われば乗り換えるというのは、金融機関からすればシビアですが、住宅ローン利用者からすればまことに合理的な判断です。
加えて上記のとおり、新規借り入れ時には時間も余裕も経験もなく、乱暴に言えば不動産会社や建設会社の「言いなり」になっていたのだとすれば、いよいよ当初固定期間が終了したタイミングでより主体的に冷静に住宅ローン選びをしようとする方が多いのかもしれませんね。
一方、10年固定タイプよりシェアが多い「全期間固定タイプ」 や「変動金利タイプ」ですが、こちらは明確なキッカケがあるわけではありませんので、各期間で分散してしまい、あまり調査結果に顕著な影響を及ぼさなかったと言えそうです。もちろんそれでも相対的にはやはりこの「5年超10年以内」と回答している方が多く、繰り返しになりますが「10年というのが切りがいい」というのは間違いなくあるとは思いますが。
ちなみにこの調査結果が示唆していることはもう1つあって、「固定金利タイプの方は借り換えする傾向にある」ということですね。
ご存知のようにここ数年の住宅ローンの金利タイプのシェアは変動金利>当初固定金利>全期間固定金利という割合で推移しています。
ところが上記のとおり借り換え前の金利タイプで比較すると、当初固定金利>全期間固定金利>変動金利という順番になっていて、変動金利と固定金利の順番が入れ替わっているのですね。
つまりは「変動金利タイプの方はあまり借り換えしない傾向にある」と言い換えていいかもしれません。商品性を考えれば当然かもしれませんが・・・。
そして気になるのがこうした借り換えによって、実際、金利はいくら低下したかという点ですね。
借り換えに関しては有名な言い回しがありまして、借り換えで得する条件としてこう言われております。
・残り期間:10年以上
・残り残高:1,000万円以上
・金利削減幅:1%以上
借り換えには数十万円の費用がかかりますので、一定の金利削減メリットがないと「費用倒れに終わってしまう」ことを示唆しているわけですが、しかし上記の通り、「5年〜10年」で借り換えを実施するということは、残り期間は当然として、残り残高も上記条件以上である可能性が高いですね。
言い換えれば「金利削減幅が1%なくても得する」可能性が高い、ということになります。
では実際の回答結果はと言うとこのようになっています。
つまり金利削減幅として最も多いレンジが「0.5%以上1.0%未満」であり、約54%の方が金利削減幅が1%未満でも借り換えを実施しているということは、それだけ残り期間や残りの住宅ローン残高が多く、借り換えメリットが借り換えコストをそれなりに上回った、ということですね。
「借り換えが早ければ早いほど、費用倒れにならないために求められる金利削減幅は少なくて済む」という点は頭の片隅に入れておきたいところですね。
全体的にはみなさん、より積極的に借り換えを利用していることがよく分かります。
固定金利で住宅ローンを借りている方、中でも近日中に当初固定期間が終わる方はこれを機会に借り換えを検討されてはいかがでしょうか。参考になさってください。
>新生銀行/借り換えシミュレーションはこちらから
>住信SBIネット銀行/借り換えシミュレーションはこちらから
>イオン銀行/借り換えシミュレーションはこちらから