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<編集部からのコメント>
住宅ローン金利が、銀行間の獲得競争と、市場金利の低下という二面から下がり続け、「史上最低水準」となっていることは皆さん、よくご存知だと思います。
加えて足元の市場金利は再度、低下傾向にありますからね。今後、住宅ローン金利がさらに低下する可能性は十分あります。
そうなってくると、これから住宅ローンの利用を検討している人だけでなく、既に住宅ローンを利用されている方もソワソワしてきますよね。「もしかして自分が借りている住宅ローンの金利は割高ではないか」、「もっと低い住宅ローンに乗り換えれるのではないか」、という問いがより強くなるのではないか、ということです。
実際、これらの問いの答えはどちらもYesですね。住宅ローン金利がここ数年で大きく低下しており、さらに現在進行形なわけですから、既に借りている住宅ローンの借りた時期が古ければ古いほど、今の金利と比較して割高であるのは間違いありませんし、どの銀行も借り換えを積極的に受け入れておりますので、もっと金利の低い住宅ローンに乗り換えられる可能性は十分あります。
ただし。
住宅ローンの借り換えにはネックがあります。何かと言えば、さまざまな諸経費・手数料がかかる点ですね。具体的には以下のようなコストが挙げられます。
・登記関連費用
・繰り上げ返済手数料
・借り入れ手数料
・保証料
特に大きいのは後者の借り入れ手数料や保証料ですね。この2つを合わせて概ね借り入れ金額の2%程度かかるのが普通ですので、仮に残高2,000万円の住宅ローンの借り換えなら、これらの手数料だけで40万円かかることになります。
しかしながら新生銀行のように、保証料がかからず借り入れ手数料も低い住宅ローンがないわけではありませんので、まずはどれくらい借り換えメリットがあるのか試算してみるのがいいかもしれませんね。なお、住宅ローンの借り換えについてはこちらで詳しく解説しておりますので参考になさってください。
>>>住宅ローン借り換えの新常識
ちなみに。
こうした借り換えに関するネックを完全に解消する、住宅ローンの金利引き下げ方法があります。それが、上記コラムでも紹介されているように、今、住宅ローンを借りている銀行に、金利の引き下げを要請する「条件変更」という方法ですね。
確かに銀行が素直に金利の引き下げを認めてくれれば、手数料はほとんどかからないはずですから、借り換えコストを考慮する必要がなく、住宅ローンの金利低下メリットを丸々享受することができます。
しかしながら実際には、こうした単純な金利引き下げのような「条件変更」はほとんど認めてもらえません。というのも、金利が低下するたびに住宅ローン金利を下げていたら切りがありませんし、逆に金利が上昇したからと言って住宅ローン金利を上げれるというわけではありませんからね。
また、不満を言った人にだけ金利を下げ、何も言わない人にはそのまま、というのは明らかに不公平ですし、もしそうした不公平がまかり通るのであれば多くの住宅ローン利用者が金利引き下げを要請するために殺到することになります。
そうしたデメリットを考慮すれば、銀行がホイホイと条件変更に応じない理由も理解できます。
そのような銀行側の対応を勘案してか、上記コラムのタイトルは「住宅ローン 銀行との金利引き下げ交渉は弱腰でやってはダメ」とかなり勇ましいものになっております。確かに、そう簡単ではないという意味においては正しいスタンスなのでしょうね。
では具体的にどのような「強気の交渉」が紹介されているかと言うと・・・「コツは、返済が苦しいので、住宅ローンの金利を下げてほしいとはっきり要望を伝えること。下がりませんかね、といった弱腰ではダメです。」とのことです。
・・・これって、思いっきり弱腰なのではないでしょうか!?完全に白旗を掲げて、お腹を見せちゃっているシチュエーションですよね。
転職したばかりで借り換えを検討する余地がないということですし、銀行としても、「返済が苦しい」ということで、金利を引き下げる大義名分ができることになりますので、より金利を引き下げやすい状況になるのかもしれませんが、少なくとも「強気の交渉」からはほど遠い印象ですね。
加えて交渉の結果が、「金利2.92%の30年固定」から「金利0.875%の変動金利」になった、ということで、これは「金利の引き下げ」というより、単に固定金利タイプから変更金利タイプへの「金利タイプの変更」なのではないですかね?
この0.875%が最優遇金利であり、この部分で多少の金利引き下げ効果があった、ということかもしれませんが、いずれにせよコラムで指摘されているように「これで金利を3分の1以下に減らすことに成功した」というのとは程遠い結果のように感じます。
相談するのも、依頼するのもタダですから、「ダメもと」でチャレンジしてみるのはいいかもしれませんが、「返済が苦しいので金利を下げてくれ」という交渉スタイルは精神衛生上もあまりよろしくなさそうです。
ちなみに当サイトに届いた「金利引き下げ成功」の口コミは、それほど数は多くないものの、「他行で借り替えようと思って手続きに行ったら、金利を引き下げてくれた」という内容が中心ですね。
上記コラムに登場する彼には難しかったのかもしれませんが、これこそ、まさに「強気の交渉」なのではないですかね?
かつ、他行の借り入れ条件が明確であり、仮審査や本審査をパスした証拠があれば、これまた金利を引き下げる大義名分となると思います。もし仮に元の銀行が金利引き下げに応じてくれなければ、本当に借り換えてしまえばいいわけですしね。
そんなわけで記者は、住宅ローン金利の、「強気な引き下げ交渉」として、より金利が魅力的な銀行で、住宅ローンの借り換えに申し込んでしまう、ということをオススメしたいと思いますがいかがでしょう?
申し込みだけなら、これまたタダですからね。
住宅ローン金利の低下に伴い、ソワソワとされている住宅ローン利用者の方々は参考になさってください。