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<編集部からのコメント>
6月となり、ボーナスシーズンに入ってきましたね。そろそろボーナスが支給された会社も出始めている頃かもしれません。
景気の回復は今ひとつですし、ボーナスが減額されたり、今回はないというケースも耳にしますが、全体的にみればやはり消費も貯蓄も盛り上がる時期であるのは間違いありませんね。
幸いにして無事にボーナスを受け取った方は、もちろん誰に気兼ねすることなく自由にお使いになればいいと思いますし、お金を払えばそれが誰かの売り上げになるわけですからね。お金は天下の回り物。貯金ばかりしていても景気はよくなりません。使うときには使うということでいいと思います。
とは言いながら。
さすがに全部を散財してしまうのはよろしくないですね。特に住宅ローンをお持ちの方は、出費するにしても消費だけでなく、住宅ローン返済にも回すべきであります。
構造的な景気低迷期にある日本経済において、次のボーナスが確実に支給される保証はありません。だとするとやはり、ボーナスのいくらかは住宅ローンの繰上返済に回した方がいいですね。
上記コラムでも、保守的な運用を説く人気経済ジャーナリストである荻原博子女史が、「今は、投資の時期ではありません!」として、住宅ローンの繰上げ返済を勧めております。計算例として紹介されているのは、金利3%×35年×3,000万円の住宅ローンで、借入1年後に100万円繰り上げ返済すると
・借入期間 : 1年11ヶ月短縮
・住宅ローン利息額 : 169万円削減
ということですね。100万円の投資(元本)に対し、169万円のリターン(利息)があるのと同じ効果が得られるわけですから、「住宅ローンの繰上げ返済は最もお得な資産運用」と言われるのも分かりますね。運用でこれだけのリターンを確実に得るのは不可能です。
そんなわけで記者も、「今は、投資の時期ではない」という考え方も、「住宅ローン保有者は繰り上げ返済を積極的に進めるべき」というアドバイスも概ね賛同いたします。
けれども。
住宅ローンの借入条件によっては、繰上げ返済に回すより、定期預金にしておいたほうがいいケースがあるように思います。それは
・住宅ローンの金利が1%未満であり、住宅ローン減税のメリットをフルに受けている場合
ですね。住宅ローンの金利が1%未満というのは以前では全く考えられませんでしたが、住宅ローンの金利競争が進み、変動金利が1%を大きく下回っている現状では十分ありえます。
また、住宅ローン減税はご存知の通り、住宅ローン元本の1%分が減税される制度ですが、もしこれをフルに利用している場合、上記の通り住宅ローン金利が1%未満だと、金利より減税メリットの方が大きい、実質的に「マイナス金利」状態になっていることになります。
ここにあえて繰り上げ返済すると元本が減り、マイナス金利のメリットも減ることになりますね。
また、その資金を定期預金で運用した場合に得られるメリットもありますので、それらを考慮して、荒っぽく計算するとこうなります。
<3,000万円×1%の住宅ローンを、100万円繰り上げ返済した場合>
・支払い利息 : 30万円 → 29万円
・住宅ローン減税 : 30万円 → 29万円
■繰上げ返済のメリット : 0円
<100万円を繰り上げ返済せず、0.3%の定期預金に回した場合>
・支払い利息 : 30万円のまま
・住宅ローン減税 : 30万円のまま
・定期預金利息 : 2,400円
■運用のメリット : 2,400円
そんなわけで、住宅ローン金利が1%未満かつ、住宅ローン減税のメリットをフルに受けている方はどちらがお得か事前に計算してみてはいかがでしょうか?
とは言いつつ、住宅ローン減税が永遠に続くわけではありませんし、定期預金の利息もたかが知れています。また、手元に資金があると、気持ちが大きくなり、ついつい使ってしまうかもしれません。そうした「心理的なリスク」も考慮すれば・・・やはりここは大人しく、ボーナス資金は素直に住宅ローンの繰上げ返済に回す方がいいのでしょうね。
回りくどくなりましたが、記者もやはり住宅ローンの繰上げ返済をオススメいたします。
幸いにしてボーナスが支給される方は参考になさってください。
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